モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
他愛ない会話で、あっという間に時間は過ぎていった。


「斉藤さん、携帯を聞いても良いですか?」

「あっ、はい。」


ポケットに入れてある携帯を取り出して驚いた。

榛名取締役?

剛?

着信履歴が表示されている。


「会社から電話があったみたいで、少し席を外します。」

「どうぞ。」


店の外に出て榛名取締役に電話を掛けた。

数回のコール音の後、取締役と繋がった。


「斉藤ですが、何か急用でしょうか?」

「高井戸専務とランチだって?」

「あっ、はい。」


いつもより声がワントーン低い気がする。

少し不機嫌な声が耳に届いた。


「取締役、急用でしたら早急に戻りますが?」

「戻ってきて。」

「はい、では失礼します。」


ぶっきら棒な言い方をされたのは初めてだ。

明らかに怒ってる雰囲気が伝わってくる。

急いで高井戸専務の所に戻り、私達はお店を後にした。


「またお誘いしても?」

「はい。本当にご馳走様でした。」

「いえ、これくらい。ではまた。」

「はい。」


高井戸専務に深く一礼して、急いで取締役室に戻った。
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