モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
地下に停めてある車の助手席に促される。

今日は自分の車で出勤したようだ。


「ありがとうございます。」

「予約した店で構わない?」

「はい、お任せします。」


地下から車が地上に出ていけば、すっかり夜の夜景に変わっていた。

流れる景色を見つめる。


「俺とは噂になりたくない?」


呟かれた声が静かな車内に響いた。

視線を運転する取締役に向けた。


「さっきの悠菜、『俺との関係は知られたくない』って目が縋ってた。」


口籠る。

なんて言えばいい?

でも事実だ。


「すみません。」

「それって…………図星と捉えていい?」

「…………。」


黙り込むしかなかった。

間違いなく傷つけた。


「取締…………。」

「仁。」

「あっ、でも。」

「仁。せめて2人だけの時だけでいいから呼んで。」

「…………はい。」


これ以上は傷つけたくない。

頷くしかなかった。
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