モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
「悠菜、呼んで。」


チラリと視線を向ければ、一瞬交わる視線に覚悟を決める。


「仁……さん。」

「ッ…………。」

「あー、やっぱり榛名さん?」

「だめ。仁。」


ヤバい。

凄く照れる。

ってか取締役も照れてない?

チラリと視線が交わる。

パッと視線を外す。


「もう一度。」

「…………仁さん?」

「いいかも。そのうち仁って呼んで。」


照れる。

でも外でも取締役では仕事の延長みたいで嫌なんだろう。

でも仁って…………照れるでしょ。

車内の空気が一変していく。

さっきまでの気不味い空気ではなく、ほんわかとしか空気が漂っている。


「悠菜。」

「はい。」

「俺を一人の男として見て欲しい。」

「見てますよ。」

「悠菜はまだ見てない。取締役じゃなく、一人の男として見て。」


取締役じゃなく?

運転する仁を見つめる。

いつも一緒にいる取締役ではなく、一人の男として…………。

見つめていれば、いつの間にか到着したようだ。
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