モテ期到来!?!憧れ上司とイジワル同期に迫られてます
車を降りて、いつものように仁の後ろを歩こうとしたが、手を繋がれて驚きに見上げた。


「仁さん、手を…………。」

「隣で歩いて。」

「えっ?」

「今は隣を歩いて。」

「はい。」


離される事のない手。

仁と手を繋いだまま店内へ入っていけば、予約がされているようで個室へ案内された。

2人で向かい合って座れば、店員が個室から出ていった。


「ゆっくり話したいから……個室のある店にした。」

「はい。」

「イタリアンにしようかと悩んだけど、勝手に和食にしたけど大丈夫だった?」

「はい、大丈夫です。」


昨日の会話を思い出す。

高井戸専務とランチに行った日、仁は不機嫌だった。

対抗するようにイタリアンのお店を予約するかと思いきや、やっぱり大人なんだと感じた。


「この店、凄く美味しいから。」

「はい。」


嬉しそうな笑みを浮かべる仁に、私も微笑んで見せた。

個室なので、周りの目を気にしなくて済むのがいい。
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