ストロベリームーン
週末がやってくるまでの間、世那はレズビアンセックスについて調べまくった。
妄想はしていたが世那の妄想はいつも肝心なところがあやふやで、イメージ先行型のいわゆる女子にありがちなムードセックスだった。
相手が男の場合は最初はとにかく相手に任せればいい。
間違ってもこっちが率先してはいけない。
でも相手が女となるとそう言う訳にもいかないだろう。
マグロの世那に小春はがっかりするかも知れない。
男が見るようなレズセックスの動画は全く役に立たない。
ネットで調べまくったがいまいち全体像が掴めない。
グロテスクな大人のおもちゃの画像が出てきた時は、ゴクリと生唾を飲み込んでしまった。
こんなものを小春が持ち出してきたらどうしようかと不安が募る。
そうしているうちに情報はバラバラのパズルのピースのまま、週末を迎えた。
世那にできることは世那の持っている下着の中で1番大人っぽいものを選び、丹念にムダ毛を処理することだった。
璃々子に相談しようかと思ったが、またあそこをツルツルにされそうだったので止めておいた。
さすがに初めての時にあそこに全く毛がないのって、どうよ、って思う。
当日、小春と千駄木駅で待ち合わせしてスーパーで買い物をした。
2人であれこれ相談しながら買い物をするのは楽しい。
まるでこれから女子会するみたいだったが、これは立派なデートなのだ。
初のお泊まりといった色っぽいものなのだ。
そのことを意識すると世那は急に緊張してきて口数が少なくなった。
小春の家に着いた時はすでに辺りが薄暗くなってきていた。
小春の部屋はこの前訪れた昼間とはまた違った印象だった。
印象を大きく変えていたのは前はなかったたくさんの写真だった。
中には写真展で展示されていた世那の写真もあった。
写真を照らす照明を部屋の間接照明代わりにしていて小春らしいハイセンスな部屋に仕上がっていた。