ストロベリームーン
「どうせ安いメンキャバだろ、その格好じゃな。璃々子貢ぐんだったらもうちょっとレベルの高いホストにしろよ」
3人のやりとりを見物している人を気にしながらリョウはその場を立ち去った。
小さな背中。
その人にフィットするはずの高級スーツだけが浮いていた。
「蓮くん、ありがとう」
璃々子は蓮に抱きつく。
「あれ誰?」
「わらじ」
璃々子は嬉しかった。
蓮がリョウから自分を守ってくれたのだ。
やはり蓮は璃々子の王子だ。
間違いない。
今日はできるだけ蓮の為にお金を使ってあげよう。
シャンパンの1本くらいなら全然構わない。