ストロベリームーン
次の日世那は璃々子のサロンのベッドに横たわっていた。
赤と黒が基調の璃々子のサロンはどこかエロティックで、きわどい下着に包まれているような気分になる。
ベッドを照らすスポットライト。
まるでこれからSMショーが始まりそうな雰囲気だ。
世那はすぐにこの後ブラジリアンワックスが本当のSMだということを知ることになるが、今はまだ何も分かっていない。
「璃々子先生はすぐにいらっしゃいますから」
世那を案内したどことなく田舎臭さが残るスタッフの女の子がそう言って部屋を出て行ってから結構な時間が経っているように感じる。
指示された通りに下半身だけ何もつけずにタオルをかけている。
初めてくる場所で下だけすっぽんぽんというのはなんとも心もとない。
やっぱりもう1回ウォッシュレットで念入りにあそこを洗おうかと思っていた時、部屋をノックする音が聞こえた。
現れた璃々子は黒いユニホームを着て白いマスクをしていた。
それらしく見えると言えば見えるがユニホームの胸元をそんなに開ける必要があるのだろうか。
「準備はいい?世那ちゃん」
璃々子は両手にビニールのグローブをはめる。
なんだかこれから手術でもするみたいだ。
世那はこくりと頷いた。
璃々子は迷いなく世那の上に乗ったタオルをめくる。
やっぱり恥ずかしい。
知っている人にやってもらう方が恥ずかしくないと思っていたが、実際にこうなってみると逆だ。
赤の他人の方がマシだ。
璃々子はベッドの横でてきぱきと準備をしている。
「あの璃々子さん、璃々子さんはなんでわたしがブラジリアンワックスが必要だと分かったんですか?」
前に店で言い当てられたことが気になっていた。
「世那ちゃん眉毛濃いでしょ。だからよ、さ、始めるから両足開いてね」
璃々子は世那の両足をぐいっと左右に押し広げた。