最後の夏、君の太陽に。
翌朝も部活があって、終わってから俺は急いで教室へと向かった。

扉を開けると、俺の席にはやはり、莉央さんが座っていた。

「おはよう」

声をかけると、

「おはよう」

と、いつもの真っ直ぐな笑顔で返してくれた。

俺はバッグを机の上に置き、莉央さんが避けてくれたので、自分の席にどかっと座った。

「あー、腹減った〜」

キチンと朝食は食べて来たのだけど、成長期の男子には少ない。

朝練だけでほとんど消費してしまう。

「これ、食べなよ」

右後ろから、彼女の声がして、野球ボールほどの大きさのあるおにぎりが差し出された。

「これ、俺が食べていいの?」

「うん。そのために作って来たんだもん」

はにかみながら、彼女は言う。

「あ、ありがとう」

ラップを解いて、口に入れると、中身は鮭フレークだった。

程よい塩気が、俺の胃袋を癒した。
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