最後の夏、君の太陽に。
俺は莉央ちゃんを連れて、さっきまで下見で何度も通った商店街を歩き始めた。
隣を見れば彼女がいて、見渡す景色もなんだか違ったように感じられる。

「あっ、あそこの唐揚げ屋さん、有名なところだよね?」

莉央ちゃんが最初に反応したのは、あの唐揚げ屋さんだった。

「そうそう。最近できたんだよね」
「行ってみよ」
「うん」

ということで、1時間前より少し長くなった列に並んだ。
いつもならこういう行列は避けて、ほかの店へ行こうとする俺だけど、彼女といろんな話をしていれば、あっという間に時間が過ぎた。

「いらっしゃいませ。何になさいますか?」

店員さんに聞かれる。
そういう形式か。

「えっと……」

横の莉央ちゃんを見つつ、

「レギュラー……?」
(コクコク)
「それじゃ、レギュラーを」

指で1を作る。
(フルフル)
2を作る。
(コクコク)

「2つ、お願いします」
「かしこまりました」

そんな感じで注文した。なんだか可笑しかった。
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