最後の夏、君の太陽に。
それから俺たちは、本屋へ行って雑誌や文庫本を見て回った。
ひとしきり読むと、数冊の気に入った本を買って、スタバに入った。
慣れない商品名とサイズ名に戸惑ったけれど、莉央ちゃんのお陰で無事に買うことができた。
やっぱりこういう所に女子は慣れているらしい。

落ち着いた雰囲気の中、俺は普通のアイスコーヒーを、彼女はピーチオンザビーチフラペチーノ(?)を飲んだ。
会話を弾ませているうち、外はすっかり夕方の気配となっていた。

名残惜しい気はしたけど、俺たちは駅前まで戻り、そこで別れた。

「それじゃあ、また」
「うん。峻輝くん、楽しかったよ。またね」

小さく手を振りながら歩いていく彼女を見送る。
彼女が見えなくなったあと見上げた空は、スッキリと澄んで、赤みを帯びていた。
< 17 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop