最後の夏、君の太陽に。
突然の彼女の真面目なトーンに、俺はドキッとしてしまう。

「な、何?」

「あのね…」

莉央さんは少し考えるように俯いて、しばらくして顔を上げた。

「私、…川合くんのことが、好きなの」

「えっ」

俺は言葉を詰まらせる。

彼女は、次の言葉を探すように目を泳がせる。

「だから、毎朝、川合くんの椅子に座ってたの。最初は、川合くんの来る時間には自分の席に戻ってたんだけど、なんか、離れられなくてさ」

「そうなんだ」

「ね、怒ったりしてない?」

「するかよ」

俺は笑う。

「俺も、倉田さんのこと好きだよ」

「えっ?」

「本当だよ」

俺は言って、彼女との距離を縮める。

そして、抱きしめた。

「みんな、来ちゃうよ」

彼女が耳元で囁く。

「別にいいだろ、見られたって減るもんじゃないし」

「…うん」

彼女の温もりが、嬉しかった。

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