その瞳は、嘘をつけない。
「ちょっ…秀く…ん、」
「お前は彼氏でもない男にこんな事を許すのか?」
左手はお腹辺りをゆるゆると撫で回しているが、いつそれが下がってきてもおかしくない。
このまま流されてしまいそうになる。

が、このままじゃだめ。
普段は口数が少なくて、何を考えているのかいまいちわからない秀くんと、こういう話ができる機会なんて滅多にない。
ここははっきりさせておかないと!

「ねぇ、私たち、いつから付き合ってるの?」
「んあ?」

どうらや冗談ではなく、本当にこのまま事に及ぼうとしていたようだ。
ちょっと掠れた、それでいて、変な質問で中断させるな、という軽い怒りを含んだ声が聞こえてきた。

「さぁな。お前はどう思う?」
「どうって聞かれても・・・・。」

青木さんに話を聞くまでは、もしかしてセフレ?とまで考えていた。
なんて言えるわけもなく。

「ずっと不安だったの。私たちの関係ってなんなんだろうって。秀くん何も言ってくれないし。」
「なら、お前から言えば良いだろう?」

不意を突かれた気がした。
どうしてか、こういうことは男の人から言ってもらわないと!なんて信じていた。
私から言っても、いいんだよね。

秀くんの手を私の服の中から引き出し、後ろを振り向いた。
秀くんを見上げると、真っすぐ見つめ返される。
恥ずかしくって結局視線を外してしまうけど、それでもはっきりと伝えたかった。
「秀くん、私と付き合ってください!」
「あぁ、喜んで。」

その後ベッドまで運ばれたことは、言うまでもない。
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