その瞳は、嘘をつけない。
「お前、何で俺と付き合ってるんだ?」
じっと、こちらを見つめる真剣な目。
少し怒っているようにも見える。直視できなくて、視線を泳がせる。
「ただ男が欲しいだけか?
都合がいいだけか?」
「違っ・・・そんなんじゃ・・・。」

大好きだよ大好きだよ大好きだよ。

この部屋で2人で過ごす時間も。
会えない時にくれる1行LINEも。
久しぶりに会う時の笑顔も。

そして何よりも、秀くんのことが大好きだよ、って。

心の中はその気持ちでいっぱいなのに。
言葉に、声に出すことができない。

だめ。
こんなこと言っちゃだめ。
迷惑かけちゃだめ。
重い女になっちゃだめ。
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