その瞳は、嘘をつけない。
そんな簡単にどこかへ逃亡できるはずもなく、いつも通りの朝がやってくる。
そして、いつも通り出勤。

うっすらと雪が降っていた。
ホワイトクリスマスになるかも、と天気予報では言っていたけど。
どうでもいい。

そう言えば、部屋の合鍵を返してもらっていない。
そのためにわざわざ連絡するのも億劫だった。
仮にも警察官。
悪用なんてしないだろう。

「やっけにカップル多いよね、今日。」
カウンターに戻ってきた映見ちゃんが悪態をついてる。
「あーぁ。どうせクリスマス前の即席カップルなんでしょ!って感じー。
クリスマスとお正月、あとバレンタイン?それが過ぎたらどうせ別れるんでしょー。」
「映見ちゃん、この間食事に行ったって人とはどうなってるの?」
「んー・・・・いまいち。
友だちとしては悪く無いんだけどねー。」
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