その瞳は、嘘をつけない。
秀くんを見送ってから、もう一度布団に潜り込もうか迷ったけど、もうしっかり目も冴えてしまった。

そこで、事の顛末を映見ちゃんにメールで報告することにした。
たくさん心配かけちゃったし。
映見ちゃんは今日は休みだし、出勤しても落ち着いて話をするタイミングは限られちゃうから。

長文な上に纏まりもなくて、あちこち追加説明が必要な文面だったけど(むしろ質問が飛んできそう)、解決したこと、もう大丈夫だよ。ありがとう、と締めくくって送信をタップする。

入れ違いのように、LINEの通知。
新規メッセージ。秀くんからだ。

”30-31日に帰省する、
お前も連れて来いと母親が煩い”

昨日も言っていたっけ。
それどころじゃなくて、会話が別の方へ転がっていっていまったけど。

私なんかが一緒に行っても迷惑なのでは・・・

と思ったことろで深呼吸。

違う、そうじゃない。

きっと、あの賑やかなお母さんは、そんなこと思ったりせずに、
私を招待してくれているはず。

もう一度深呼吸して

”はい、喜んで。”

と返信した。
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