その瞳は、嘘をつけない。
10章 future
少しずつ、日の出の時間が早くなってきて、昼間の日差しも暖かくなってきた。

今年は桜の開花も早いだろうと予報で言っていた。

珍しく休みが重なった私たち。
私は昨日から秀くんの家にお泊りに来ている。

秀くんの家に遊びに来ることはたまにあるけど(遊びというより自宅トレーニングだけど)、
泊まりに来ることはあまりない。
調理道具とか、調味料が揃ってないから料理がしにくいのが大きな理由。
私の家に来てもらう方が手っ取り早いんだ。

今日の朝食は、昨日のうちにコンビニで調達しておいたおにぎりとサラダ。
カップスープも淹れて体を温める。
春先とは言え、朝はまだ冷える。

腹ごしらえを済ませ、行動開始。
今日、ここに呼ばれたのは
「部屋の掃除を手伝って欲しい。」
と言われたから。

曰く、4年住んでおきながら、大掃除的なものをやっていないとのこと。
日々の掃除は大雑把にやっているから、しっかりとした掃除の仕方は分からない、教えてほしい、と。

そう頼られてしまうと張り切っちゃうよね。

昨日のうちに、洗剤やブラシ、ゴム手袋も用意してきた。
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