その瞳は、嘘をつけない。
4章 restart
耕平と付き合い始めたのは、高校2年の時。

2年生になった新学期第一日目、
お決まりの、教壇の上での自己紹介。
とびっきりのイケメン!って訳ではなかったけれど。
真面目そうだけどちょっと茶目っ気もあり、
何より、読書が好きという一言に興味を惹かれた。
気づいたら、気になる存在になっていた。

かと言って、自分から積極的に話しかけることは出来なかった。
耕平も、あまり女子と話すタイプじゃなかったから、余計に。

きっかけは、6月にあった席替え。
くじ引きで決まった新しい席に移動すると、私の後ろの席にやって来たのが耕平だった。

「前の席、小山内さんなんだ。よろしく!」
「こちらこそ、よろしく。」
窓側の一番後ろが耕平、その前の席が私。
初めて交わされた、とりとめのない挨拶だったけど。

これが、この後の7年半、
青春と呼べる時期全ての始まりだった。
人生を左右する程の
微かな、確実な一歩だった。
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