もう一度、愛してくれないか
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食事を終えて、取っていたスイートに入った。
すぐに、ルームサービスで頼んだシャンパンとオードブルが届く。

おれと紗香は、リビングルームのソファにゆったりと座って、眼下に広がる大阪の夜景を眺めながら、フルートグラスを軽く合わせて「結婚二十五年の銀婚式」を乾杯して祝った。

「……あたし、幸せ……真也さんと結婚できて、本当によかった」

紗香が瞳をうるうるさせて、おれを見上げる。エステでケアした肌は、すっかりみずみずしく甦っていた。ハーフアップに結われた髪はツヤツヤの証、天使の輪が輝いている。

おれは紗香を抱き寄せて、ちゅっ、とキスをした。

「おれの方がもっと幸せさ……紗香、愛してる」

もう一度、今度はもっと深く口づけしようと顔を寄せると、なぜか、やんわりと制された。

「真也さん……あたし、あなたに聞いてもらいたいことがあるの」

紗香はこの上なく真剣な顔をしていた。

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