もう一度、愛してくれないか
゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*:.。. .。.:*・゜゚


それから、恥ずかしかって嫌がる紗香を、

「おれをもう一度愛してくれて、嫁らしいこともしてくれるんだろっ?」

引きずるようにして、豪華なバスルームへ連れ込み、めいっぱい「嫁としての務め」を果たしてもらった。

そのあとのキングサイズのベッドの上でも、日本の古式ゆかしい伝統に(のっと)った大胆な体位で、おれも「夫としての務め」を果たした。

「ねぇ……真也さん、あたし……今まで、あなたを満足させてあげられてなかったんじゃないの?」

啼き過ぎて、少し(かす)れた声になってしまった紗香がぽつりとつぶやいた。

「あたし、あのいかがわしいホテルで抱かれたとき、それに気づいて、哀しくなっちゃったと同時に……すっごく申し訳なくなっちゃったの」

それで、おれに謝ってたのか。

しかし……っとに、よくもまぁ、くだらねぇことを次から次へと思い浮かべやがるな。

「バカだな。そんなわきゃねえだろうが。
おれは紗香に出逢ってからは、おまえにしか勃たねえカラダになっちまったってのにさ」

紗香は一瞬のうちに真っ赤っかになって、黙り込んだ。

これからは、こいつのくだらねぇ戯言(たわごと)は、聞いた時点で「瞬殺」することにした。

「……なぁ、紗香。
おまえ、やっぱり女の子がほしいか?」

紗香の顔がギョッとなる。

「む…無理無理無理無理無理……っ!
絶対にもう無理っ!産めないからっ!!」

……わかってるよ。
まぁ、このタイミングで訊けばそう思うだろうがな。

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