もう一度、愛してくれないか
♤Chapter 6♤
風呂から出ると、ダイニングテーブルの上には彩り豊かな料理が並んでいた。
妻は結婚するまで、まったくと言っていいほど料理をしたことがなかったので、新婚当初はブロッコリーが茹でられずに生のまま、食卓に上ったこともあった。
目の前の手際よくつくられた料理を見ていると、隔世の感がある。
「ビール、呑む?」
妻が上目遣いで訊く。
こんなときなのに。
……なんで無駄にかわいいんだよっ。
「今日は呑まないよ。明日ゴルフで朝早いしな。……おまえ、素面のおれに、話したいことがあるんだろ?」
妻はこくっ、と肯いた。
「じゃあ、メシ食ったら……おまえの話を聞くから」