もう一度、愛してくれないか
二人もハッ、としてそれぞれの時計を見る。
興戸は赤いクロコ革のフランク ミュラー ロングアイランドで、七条はピンクゴールドのカルティエ ミスパシャだ。
次の瞬間、もう二人はPCに向かってマウスを握っていた。
豊川も自分のソーラー電波のセイコー ルキアを見た。
時刻は午後三時。
証券会社に勤務する身としては、後場(午後の株価取引)が引ける時間なのだが。
「今日はこのために、◯田のメインはもう購入済みや……さぁ、祭りが始まるで」
鳴尾のハスキーな声とともに、三人が同時にマウスを右クリックした。