もう一度、愛してくれないか
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「……おまえの来たかったところって、ここでいいのか?」

おれの問いかけに、妻は満面の笑みで肯いた。

家でブランチをとった(おれは外で食おうと言ったのだが)日曜日の昼下がり、おれたちは梅田にある阪急のメンズ館に来ていた。

「だって、夏物がいる季節じゃない」

そう言って、彼女は早速フロアガイドのリーフレットを手に取った。

「ワイシャツと……サマーウールのスーツもいるわね。ここの店舗でも、オーダーできたよね?
……あ、四階だって」

エスカレーターの方へ歩き出す。

「おい、おまえはなにか欲しいものはないのか?せっかく来たんだから、買ってやるよ」

彼女はくるっと、おれの方を振り返った。

「あたしは、別にいいの。今日は、あなたのものを買いに来たから」

そう言って、またエスカレーターの方へ向き直って歩きだした。

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