もう一度、愛してくれないか

ゴンドラの中に足を踏み入れると、紗香は腰かけたと思ったらすぐに、くるりと窓の方を向いた。

かぶりつきで外を見ている。
本当にちっちゃな女の子みたいだ。

おれも隣に座って、 外を向く。
まだ休日のショッピングモールの風景だ。


ゴンドラが音を立てて、天に向かってゆっくりと上昇していく。

昨日と打って変わって、晴れてよかった。
梅雨の晴れ間の青い空に白い雲が浮かんでいる。
並んで座るおれたちは、一緒にその空を見上げた。

ゴンドラはいつの間にかショッピングモールのビルを抜け、屋上が目の下になっていた。

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