もう一度、愛してくれないか
♤Chapter 10♤

ゴンドラの扉が開いて、外に出る。

おれは、紗香の手のひらと自分の手のひらをぴったり合わせ、彼女の指と自分の指をしっかりからませ、ガッチリと手をつないだ。

若いヤツらが「恋人つなぎ」と言っているつなぎ方だ。この際「年甲斐もなく」とは言ってられない。


おれたちは東◯商店街に入って、どんどん進んで行った。大股でずんずん歩くおれに手を牽かれた紗香は、歩幅も歩数も合わず小走り気味になっていた。

「……ねぇ、どこへ向かってるの?」

怪訝な顔で訊いてくる彼女の言葉も無視して、おれはひたすら先を急いだ。

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