もう一度、愛してくれないか

おれは腰の動きを止めた。

「すまん、紗香……痛かったか?」

彼女の両頬を、おれの大きな手のひらですっぽり包んで、やさしく尋ねる。

紗香は、ふるふるふると首を振る。

「……ごめんなさい……真也さん」

なぜか、紗香の大きな瞳から流れる涙に止まる気配はない。

「紗香?……どうした?なぜ、おまえが謝るんだ?」

止めどなくあふれ出る涙をぺろりと舐めて、尋ねる。

「ごめんなさい……ごめんなさい……」

紗香はおれの首に手をまわして引き寄せながら、ひたすら謝り続けた。

< 99 / 200 >

この作品をシェア

pagetop