卒業
気が付くと自分の部屋にいた。靴も脱がずに、玄関に座り込んでいた。





薄暗くて寒い部屋のなかは、まるで私の心の中のようだった。孤独と悲しみが一気に襲ってきた。






私は声にならない嗚咽を漏らした…………







いったい私は今まで、瀬野尾くんの何を見ていたのだろう。私は私の見たい瀬野尾くんだけを見ていたのか。











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