卒業
第三章 回想
高校生 ~春~
瀬野尾くんとは高校3年生のときに、初めて同じクラスになった。
瀬野尾くんはクラスの中でもひときわ目立っていた。そして、みんなからとても慕われていた。
瀬野尾くんの最大の魅力は何といってもその美貌。スラッとしたスタイルに、白く透き通った肌。くりっとした愛らしい目に、プリっとした可愛らしい唇。
男子も女子も、はたまた先生たちもが虜になるほど。
しかし、その容姿とは裏腹に、ノリのいい、さっぱりとした性格。
頭の回転が早く、ウィットに富んだトーク。臆せず下ネタもバンバン話しちゃうところが、男子からの絶大なる人気を得ていた。
そんな瀬野尾くんとまさか、一緒にクラス委員をすることになるなんて思ってもみなかった。
私は毎年、クラスの副委員をやっている。私が人気があるとか、人望があるとかではない。
ただ誰もやりたがらないから。
なんとなく、押し付けられると断りきれず……。