卒業




ひとり、交代を待った……







それからしばらくして、ようやく交代メンバーの女子二人がやって来た。





ドタバタ走ってくるなり、彼女たちは私にこう言った。





『ごめんねー! 実は……まだ見れてないところがたくさんあって、そこ必ず行くねって約束までしていて…………。だから、ごめんだけど、このままお願いしてもいい?』





……え





私が反論する余裕なんてなかった。



彼女たちは勝手にそう言い残すと、ありがとー!と叫びながら走り去っていった……















一人残された私。









でも、きっと交代の男子二人は来てくれるよね。



そう思い一人待った。



その間にもポツポツとお客さんが来て、私は一人対応に追われた。



でも、瀬野尾くんに特訓してもらったお陰で、うまく写真を撮ることも出来たし、印刷まで何とか一人で対応出来ていた。



















気が付くと時計は2時をまわっていた。



交代メンバーは誰一人来なかった。








私は諦めていた。


たとえ交代をしても、一人では学校祭は楽しめない。
こうしてここにいて、役割があることで、時間をもて余すことなく過ごせている。


私にはちょうど良かったのだと
そう思っていた…………





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