卒業
デザートを食べ終えた私。
「ごちそうさまでした。」
そう言うと、瀬野尾くんは満足そうに頷き、ニコッと天使のような微笑みをくれた。
『帰ろっか』
今日は瀬野尾くんのおごりと言うことだ。ありがたく、ご馳走になります!
瀬野尾くんは伝票を片手でつかむと、ゆっくりとレジへ歩いていった。
瀬野尾くんのちょっとした動作に、いちいちキュンとくる。
本当に私はバカだ。
でも、こののんびりとしたペース、好きなんだよね
ゆらりゆらりしていて……
私は瀬野尾くんの華奢な体と、大きな背中を見ていた。
瀬野尾くんがレジで支払いをするときも、店員さんが瀬野尾くんの顔を何度も何度も見ていたの、私は気付いていた。
ね、かっこいいでしょ
ね、きれいでしょ
彼ね、私の親友なんだよ
私の自慢の友達なんだよ
って、また心のなかで呟いた