卒業
さようなら
お手洗いまで来ると廊下まで3、4人の列が出来ていた……
居酒屋あるあるだ……
別に本当に用があったわけではない私は、頭を冷やすため列に並んだ。
瀬野尾くんのことを考えると胸が苦しくなる。
自分で決めたことなのに、いざ、終わりを告げるとなると寂しさが込み上げてきて、どうしようもなく涙が溢れてくる。
気持ちが揺らぐ………
やっぱりこのままでいたい……
もうどうしたらいいのか分からなく、声を上げて泣きそうになった。
その時……
『 大丈夫?』
ふいに耳元で優しく声をかけられ、私は反射的に涙で濡れたままの顔をあげた。