卒業
外に出ると、澄みきった夜空に、明るい月がとても綺麗に輝いていた。
冷たい空気が私の頬を撫でる。
私は何をやっているのだろう。今日は瀬野尾くんから卒業するって決めたじゃない。
こんなこと繰り返していたら、いつまでたっても瀬野尾くんから離れられないぞ…………。
深呼吸……
深呼吸……
瀬野尾くんには素敵な彼女がいる。
私は私の道を進まなきゃ。
しばらくすると、気持ちがしっかりとしてきた。
大丈夫……
上手くやれる……
気持ちを立て直し、お店の中へ戻ろうとドアに手を伸ばした。
その時………
お店の中から勢いよく人が飛び出してきて、私たちは思いきりぶつかった。