卒業




『あと、もうひとつ』


「えーまだあるの 笑」




すると瀬野尾くんのいたずらっ子のような顔が私の顔にゆっくりと近づいた。




『どこの誰ですかー? 目を閉じてって言っただけなのに、唇をタコさんみたいに突きだしていたのはー』



………………!




「え、私そんなことしてないよ!」




私は少し前の自分を思い出して恥ずかしくなった。




『しーてーたー』




瀬野尾くんはいじわるだ。そんな私の顔を見てきっとニタニタ笑っていたに違いない。




すると突然、瀬野尾くんがはしゃぎながら大きな声で言った。




『いっくよー!』




…………え!









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