卒業
気が付いたときには、私はベッドに仰向けになっていた。そして、目の前には瀬野尾くんの綺麗な顔があった。
瀬野尾くんは私の上に馬乗りになっている。
私は息を呑んで瀬野尾くんを見上げる。
私たちは目が合うと、どちらもそらせなくなった。
瀬野尾くんの神秘的な瞳に吸い込まれていく…………
瀬野尾くんが優しい声でささやいた……
『…………大好きだよ』
………………
大好きな人がこんなに近くにいること。
大好きな人が私を見てくれること。
大好きな人に『大好きだよ』と言われること。
幸せすぎて心臓が痛い…………
息をのんだまま黙っている私を見た瀬野尾くんは、首を少しだけ傾けて、またささやく……
『お返事は……?』
………………
「……私も大好き……」
そういうと、瀬野尾くんはふわりと、とても優しく微笑んだ。
そして、瀬野尾くんはかすれた甘い声で私に問いかけた…………
『ずっと………こうしたかった……………。』
そして、瀬野尾くんの綺麗な顔がゆっくりと、私の上に舞い降りてきた……
END