向日葵
戻れない
綺麗なものを綺麗だと感じられなくなったのは、いつの頃からだっただろう。
いつからあたしは、自分と同じような醜いものばかりを探すようになったのだろう。
もう、そんなことさえも思い出せない。
体中の痛みに耐えかねて瞳を開ければ、お腹が空いている自分が滑稽だった。
昨日もまた陽平は、あたしの稼いだお金でパチンコに行き、そして負けて帰って来て、機嫌の直らないままに無理やりあたしを犯したのだ。
本当はこんなことをしたいわけじゃないのにと、そんな諦めの色を滲ませながらもお客とホテルに入り、先ほど仕事を終わらせたばかり。
倍額払ってもらえたものの、何度もヤられれば、さすがにあたしの体だって悲鳴を上げる。
もはや体を起こす気力もなくて、流行りの曲が有線から流れ、それに耳を傾けた。
『別れたら?』
数日前、智也に言われた言葉。
静かな世界に身を置く度に、そんなものが思い出したように頭の中を通り過ぎる。
両親や梶原に復讐してやるためにこんなことを始めたはずなのに、なのに今のあたしは、一体何なんだろう。
何のために体を売って、そして何のために生きているのだろうか。
そんな疑問符ばかりが沸々と沸き起こり、消化不良のままに死んでしまいそうだ。
ならばいっそ、死んだ方が楽なのかもしれないな、と。
死ぬことは、ずっと負けることだと思ってたけど。
だけども楽になれるのならば、もう何でも良いのかもしれないとさえ思えてくるのだから、嫌になる。
携帯を持ち上げ、適当に操作しているうちに、電話帳の“クロ”の部分で、指先が止まった。
もう終わったはずなのに、なのに削除することも出来ないでいる自分が、馬鹿みたいだとしか思えなくて。
『お幸せに。』
そんな言葉と共に、最後に会ったあの日の光景が思い起こされた。
苦しくて、本当に死んだ方が楽なのかもしれないなと、そんなことを思いながら、自嘲気味に笑ってしまう。
いつからあたしは、自分と同じような醜いものばかりを探すようになったのだろう。
もう、そんなことさえも思い出せない。
体中の痛みに耐えかねて瞳を開ければ、お腹が空いている自分が滑稽だった。
昨日もまた陽平は、あたしの稼いだお金でパチンコに行き、そして負けて帰って来て、機嫌の直らないままに無理やりあたしを犯したのだ。
本当はこんなことをしたいわけじゃないのにと、そんな諦めの色を滲ませながらもお客とホテルに入り、先ほど仕事を終わらせたばかり。
倍額払ってもらえたものの、何度もヤられれば、さすがにあたしの体だって悲鳴を上げる。
もはや体を起こす気力もなくて、流行りの曲が有線から流れ、それに耳を傾けた。
『別れたら?』
数日前、智也に言われた言葉。
静かな世界に身を置く度に、そんなものが思い出したように頭の中を通り過ぎる。
両親や梶原に復讐してやるためにこんなことを始めたはずなのに、なのに今のあたしは、一体何なんだろう。
何のために体を売って、そして何のために生きているのだろうか。
そんな疑問符ばかりが沸々と沸き起こり、消化不良のままに死んでしまいそうだ。
ならばいっそ、死んだ方が楽なのかもしれないな、と。
死ぬことは、ずっと負けることだと思ってたけど。
だけども楽になれるのならば、もう何でも良いのかもしれないとさえ思えてくるのだから、嫌になる。
携帯を持ち上げ、適当に操作しているうちに、電話帳の“クロ”の部分で、指先が止まった。
もう終わったはずなのに、なのに削除することも出来ないでいる自分が、馬鹿みたいだとしか思えなくて。
『お幸せに。』
そんな言葉と共に、最後に会ったあの日の光景が思い起こされた。
苦しくて、本当に死んだ方が楽なのかもしれないなと、そんなことを思いながら、自嘲気味に笑ってしまう。