向日葵
ただいま
「ただいま。」
ガチャリと扉を開けてみれば、リビングから漏れてくる明かりと、そしてサッカー中継なのだろうテレビの声。
朝居た部屋に戻ってきただけなのだが、だからってここは、あたしの部屋ではない。
それでももう住み慣れてしまったので、重い体を押して当たり前のように中へと足を踏み入れれば、あたしに気付いた彼は、明らかに嬉しそうな様子で。
「おかえり。
つーか、帰って来ねぇのかと思ったし。」
「意味わかんない。
あたしが他に行く場所ないの、知ってるでしょ?」
「知ってる。
つか、俺が拾ってやったんだしな。」
ククッと笑って彼、“陽平”は、咥えていた煙草を灰皿に押し当てた。
押し当てて、そして立ち上がってあたしの荷物を奪い、代わりに抱き締めるようにしてキスを落とす。
またなのかと、抵抗することもなくそれを受け入れれば、ねじ込まれ、そして絡まる舌があたしの口内を侵食して。
「契約っしょ?」
覚えてるだろ、とでも言いたげな顔で今更な言葉を並べ、そしてあたしは容易く押し倒された。
一年半前、家を出てそのままこの街までやってきたは良いが、お金も住む場所もなかったあたしは、街でフラフラしていたところを陽平に拾われたのだ。
彼との“契約”ってのは、タダで寝泊まりさせてもらう代わりに、体を提供するってやつ。
ガチャリと扉を開けてみれば、リビングから漏れてくる明かりと、そしてサッカー中継なのだろうテレビの声。
朝居た部屋に戻ってきただけなのだが、だからってここは、あたしの部屋ではない。
それでももう住み慣れてしまったので、重い体を押して当たり前のように中へと足を踏み入れれば、あたしに気付いた彼は、明らかに嬉しそうな様子で。
「おかえり。
つーか、帰って来ねぇのかと思ったし。」
「意味わかんない。
あたしが他に行く場所ないの、知ってるでしょ?」
「知ってる。
つか、俺が拾ってやったんだしな。」
ククッと笑って彼、“陽平”は、咥えていた煙草を灰皿に押し当てた。
押し当てて、そして立ち上がってあたしの荷物を奪い、代わりに抱き締めるようにしてキスを落とす。
またなのかと、抵抗することもなくそれを受け入れれば、ねじ込まれ、そして絡まる舌があたしの口内を侵食して。
「契約っしょ?」
覚えてるだろ、とでも言いたげな顔で今更な言葉を並べ、そしてあたしは容易く押し倒された。
一年半前、家を出てそのままこの街までやってきたは良いが、お金も住む場所もなかったあたしは、街でフラフラしていたところを陽平に拾われたのだ。
彼との“契約”ってのは、タダで寝泊まりさせてもらう代わりに、体を提供するってやつ。