向日葵
「ちょっ!」


「何食べたい?」


「…いや、あたしはっ…」


「あっ、時間だ。
じゃあ、決めといてよ。
夜7時くらいに、ここ集合ってことで。」


「は?!」


いつの間にやら行くこと前提で話が進んでいて、抵抗の言葉は思いっきり遮られた後、クロは腕時計で時間を確認し、さっさとどこかへ消えてしまう。


もちろん約束は勝手にされ、あたしは頭を抱えることしか出来ない結果となったわけだが。


一応毎日会っているとは言え、ラチられる可能性は未だ捨てきれないけど、でも、背に腹は代えられないし。


どうすれば良いのかと、本気で困り果てることしか出来なくて。



「…何なのよ、もう…」


そう呟いてみても相手は居らず、そんな声は騒喧に消える。


アイツはいつも自分勝手で、そして人の話なんて聞いてもいないし。


振り回されるばかりだってのに、なのにあたしは、毎日この場所に居るわけで。


何がしたいのかわかんないのは、あたしもアイツも同じだ。


頭の中がグチャグチャになり、ため息混じりに取り出した煙草に火をつけてみれば、やっぱりあたしには禁煙なんて出来ないんだなと、そう思わされるばかりだった。


吹き抜けた春風は全然優しいものなんかじゃなくて、グチャグチャなもの全部、一緒に持ち去ってくれれば良いのにと、そんなことを考えてしまう。



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