向日葵
「仕事、順調?」


「別に、普通。」


「…疲れてる?」


「アンタにね。」


いつも通りの言葉は、やっぱりいつも通りのように笑って流されてしまう。


これほどまでに冷たくしているのに、何でコイツはあたしに関わろうとするのだろうか。



「ねぇ。
何でいっつもあたしに話し掛けたり、ご飯食べさせてくれたりするの?」


「夏希のことが気になるから、かな。」


「やめてよ、そういうの。」


「何で?」


小さく睨んでみても、楽しそうに口元を上げたままに首を傾けた顔が変わることはなく、本気でコイツはどうかしてると思わされる。


第一、本気なのか遊びで言ってるのか、それさえも掴めないのだから。



「アンタが何考えてそんなこと言ってるのか知らないけど、マジなら勘弁して。」


「…俺のこと、嫌い?」


「好きとか嫌いじゃないよ。
あたしは誰とも恋愛なんてする気ないから。」


「それって体売ってるのと、何か関係あんの?」


「―――ッ!」


真っ直ぐに視線はこちらを捕え、そして紡がれた言葉にあたしは、目を見開いた。


だけどもハッとして急いで視線を逸らした時にはもう遅く、“へぇ”と意味深な呟きが向けられ、思わずあたしは唇を噛み締めてしまう。



「じゃあ、俺の片思いってことで良いじゃん。」



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