向日葵
同窓会で
この地方でも桜は満開になったのだと、今朝のニュースで言っていたっけ。
だけども見渡す限りのビルの群れに、相変わらず季節なんて感じ取ることも出来ないまま。
まぁ、桜が見れたからと言って、あたしには一緒に花見をするような友人なんてものも居ないわけだけど。
そう言えば、もうすぐ4月になることだし、昔の友人連中は、新卒や新入学に大忙しだったりするのだろうな、と、どこか他人事のように思ってしまう。
この街に来て一年半、あたしが思うよりずっと、時間は流れているのだろう。
♪~♪~♪
着信:あやっぺ
マックでボーッと街行く人々を眺めていると、鳴り響いたのはあたしの携帯で、ディスプレイにはまるで見計らったように、中学の頃の同級生の名前が表示されていた。
が、別に仲が良かったってわけでもないので、一体何の用なのだろうと、そう首を傾けながらも通話ボタンを押してみた。
―ピッ
『もっし~、夏希?』
押してみたはいいが、電話口からの開口一番は、いつの間にやら口調が馬鹿っぽくなっている彼女の声で、本当に本人なのかと思ってしまうわけだが。
“どしたの?”なんて聞いてみれば、思い出したとでも言いたげに、それは嬉々とした声色へと変わって。
『そうそう!
今度、同窓会あるんだわ。』
「…同窓会?」
『うん、今週の土曜にね。
あたし幹事とかになっちゃってぇ、んでみんなにこうして電話してんの!』
“マジ最悪なんだけど”なんて言われ、あたしは合わせるように笑うことしか出来ないわけだが。
それにしても、地元を離れて一年半、帰るべきか帰らないべきかと、頭の中で考えを巡らせるばかりで。
だけども見渡す限りのビルの群れに、相変わらず季節なんて感じ取ることも出来ないまま。
まぁ、桜が見れたからと言って、あたしには一緒に花見をするような友人なんてものも居ないわけだけど。
そう言えば、もうすぐ4月になることだし、昔の友人連中は、新卒や新入学に大忙しだったりするのだろうな、と、どこか他人事のように思ってしまう。
この街に来て一年半、あたしが思うよりずっと、時間は流れているのだろう。
♪~♪~♪
着信:あやっぺ
マックでボーッと街行く人々を眺めていると、鳴り響いたのはあたしの携帯で、ディスプレイにはまるで見計らったように、中学の頃の同級生の名前が表示されていた。
が、別に仲が良かったってわけでもないので、一体何の用なのだろうと、そう首を傾けながらも通話ボタンを押してみた。
―ピッ
『もっし~、夏希?』
押してみたはいいが、電話口からの開口一番は、いつの間にやら口調が馬鹿っぽくなっている彼女の声で、本当に本人なのかと思ってしまうわけだが。
“どしたの?”なんて聞いてみれば、思い出したとでも言いたげに、それは嬉々とした声色へと変わって。
『そうそう!
今度、同窓会あるんだわ。』
「…同窓会?」
『うん、今週の土曜にね。
あたし幹事とかになっちゃってぇ、んでみんなにこうして電話してんの!』
“マジ最悪なんだけど”なんて言われ、あたしは合わせるように笑うことしか出来ないわけだが。
それにしても、地元を離れて一年半、帰るべきか帰らないべきかと、頭の中で考えを巡らせるばかりで。