向日葵
ガチャリと扉を開くと、買い物袋を提げた智也は、“うっす”と歯を見せた。
そんなものに肩をすくめると、何だかとても久しぶりの再会のように感じてしまう。
「適当に上がってよ。
って言っても、あたしの部屋じゃないんだけど。」
「じゃあ、おじゃまー。」
そう、勝手知ったるように部屋へと上がり込んだ智也は、机の上に袋の中身を広げ出した。
見ると、お菓子やジュース、適当に見繕ったのだろう漫画本まであって、思わず笑ってしまったわけだけど。
「つか、また派手にやられたな。」
「ホント、美人が台無しって感じ。」
苦笑いを浮かべてみれば、智也は“自分で言うかな”と、そんな言葉を返すのみ。
そのまま彼は煙草を咥えてしまい、手持ち無沙汰になってあたしも、同じように煙草を咥えることしか出来なくて。
「俺、思うんだけど。
このまま龍司さんと一緒に暮らせば?」
「…えっ…」
「もう、全部忘れりゃ良いじゃん。」
「…簡単に言うね。」
「けど、それが夏希のためなんじゃね?」
今度の智也は、責めない代わりに押し付けるんだなと、そんなことを思ってしまう。
何も言えなくなってため息を吐き出せば、やっぱり流れるのは沈黙のみで。
「つか、ごめん。」
「…何に対して?」
「何も出来なくて。」
“昔も今も”と、そう付け加えられた言葉に、あたしは小さく首を横に振った。
そんなものに肩をすくめると、何だかとても久しぶりの再会のように感じてしまう。
「適当に上がってよ。
って言っても、あたしの部屋じゃないんだけど。」
「じゃあ、おじゃまー。」
そう、勝手知ったるように部屋へと上がり込んだ智也は、机の上に袋の中身を広げ出した。
見ると、お菓子やジュース、適当に見繕ったのだろう漫画本まであって、思わず笑ってしまったわけだけど。
「つか、また派手にやられたな。」
「ホント、美人が台無しって感じ。」
苦笑いを浮かべてみれば、智也は“自分で言うかな”と、そんな言葉を返すのみ。
そのまま彼は煙草を咥えてしまい、手持ち無沙汰になってあたしも、同じように煙草を咥えることしか出来なくて。
「俺、思うんだけど。
このまま龍司さんと一緒に暮らせば?」
「…えっ…」
「もう、全部忘れりゃ良いじゃん。」
「…簡単に言うね。」
「けど、それが夏希のためなんじゃね?」
今度の智也は、責めない代わりに押し付けるんだなと、そんなことを思ってしまう。
何も言えなくなってため息を吐き出せば、やっぱり流れるのは沈黙のみで。
「つか、ごめん。」
「…何に対して?」
「何も出来なくて。」
“昔も今も”と、そう付け加えられた言葉に、あたしは小さく首を横に振った。