【完】名のないレター

「…はぁ、分かった。座れ」

俺の嘘を信じた山地先生は、ため息をつきながら俺に言葉を投げかけた。

 俺は静かに席に着いた。

 その時、左斜めから物凄い視線を感じた。

 左斜めを見ると、授業というのにニンマリと後ろの席で携帯を弄っているあいつが笑顔で俺を見てくる。

 あいつ、絶対分かってる。

 キーンコーンカーンコーン

「…今日はここまで。じゃあ、来週までの宿題ここまでだから。ちゃんとやってきてな」

 そう言って、山地先生は教室へと去っていた。
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