【完】名のないレター
私は風呂に入ってから、自分の部屋に籠もってずっと手紙を握りしめていた。
握りしめながら、私は今まで出会った人達の楽しいことや悲しい出来事を思い返しながら、目を閉じて考えていた。
…何分経っただろうか。小学校、中学校と学校の中で話していた男子を思い返した。
だが、思い返すのは、那月だった。
他の男子とも話すことはあったが、それはただのクラスメイトということで話していた。
恋に発展することはなかった。
しかも、いつも那月は私のクラスに来ては、声を掛けて、私を呼んでいた。