【完】名のないレター
第3節
*
「那月、どうしたんだろう」
私は那月のことが心配になった。
いつもの那月は優しくて、私の事を一番に気にかけてくれる。
いや、さっきだってそうだ。でも、なにかおかしかった。
那月、どうしたのかな。何年も一緒にいるのに何考えてるのか分からない。
「那月……」
私は那月のことどのくらい分かっているのだろうか。
知らないことが多いのかもしれない。
何年も一緒にいるのに。