【完】名のないレター
「…あんたなんかあった?」
下から私の顔を覗いてきた杏奈は、私に聞いてきた。私は、両手で杏奈の髪をぐしゃぐしゃにした。
「ちょ、ちょっと。今日、ちゃんと髪セットしたのに! もう真奈!」
「あとで、話す」
私はそう言って、机の中から教科書を取り出して杏奈の所に行った。
私は頭の中でさっき見た夢のことを考えていた。
夢の中で出てきた茶髪の男の子は一体誰なのだろうか。
でも、この夢は現実で起きたような気がする。