【完】名のないレター

俊は俺が真奈に告白すること、お見通しなんだな。

 俺は何にも言ってないのな。

「…おう、行ってくる」

 俺は俊に礼を言ってから、駆け足で真奈の元に戻った。

 伝えなきゃ、いけないんだ。
 
どんなにかっこ悪くても、真奈には俺の事だけを見てほしいんだ。

 走らなくちゃ、走らなくちゃ。
 
俺は全力で校舎を走った。

走る度、教師の怒鳴り声が聞こえてきた。そんなことはどうでもいい。

 誰かに取られる前に、伝えなくちゃいけないんだ。
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