【完】名のないレター

「那月! ありがとうね。わざわざ」

 周りの同級生が見ている中、私はニコっと那月に手を振った。

「はいはい」

 左手をブラブラと上にあげて、那月は去っていた。

「真奈。終わった? 行くよー」

「うん」

 早足で音楽室に杏奈と話しながら、向かった。さっきの夢を見たのは、現実だったんだ。

だけど、私はまだ気づかなかったんだ。 
 茶髪の男の子がすぐ側にいるなんて。 
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