騎士団長のお気に召すまま
「あなた、エディ!」
それはアメリアが最初に騎士団を訪れた時のこと。団長と会う予定だったアメリアをただの小娘だとして厄介払いしたことで懲罰房送りにされた門番だ。
「やっと思い出したか」
「確か、前に騎士団をやめたって…。あなたが、どうしてここに」
するとエディは途端にそのにやけ顔を歪めて怒りに変わった。
「どうして、じゃねえよ小娘が!」
身動きのとれないアメリアの腹部を蹴り上げてその怒りを爆発させ、呻き声をあげるアメリアに吐き捨てるように「お前のせいだ」と言う。
「お前のせいで俺はあの人の怒りに触れた。
俺が唯一尊敬した人に、認めてほしかった人に、軽蔑の目で見られたよ。
分かるか、お前に俺の怒りが」
「…尊敬してた、ひと?」
せき込みながら尋ねるアメリアにエディはその人の名前を口にした。
「青藍の騎士、シアン・アクレイド」
それは我らが青の騎士団長の名前だった。
「あの人の強さに焦がれた。
厳しいし不愛想だけど、いつかああなりたいと思わせてくれた。
騎士団は実力で成り上がる世界だ。
団長は夢を見せてくれた。
頑張ればいつかはああなれると。ああなりたいと。
それなのに」
拳を握ったエディの手が震えているのにアメリアは気付く。
「お前が奪ったんだ、俺の夢を!」
その言葉はアメリアに鋭く突き刺さる。自分の行動が誰かの夢を踏みにじるなど考えもしなかったのだ。
「それに、あのお嬢様。そうそうミア・キャンベル。あいつからも頼まれた」
「え、ミアどの?」
思ってもいなかった名前にアメリアは思わず聞き返す。
それはアメリアが最初に騎士団を訪れた時のこと。団長と会う予定だったアメリアをただの小娘だとして厄介払いしたことで懲罰房送りにされた門番だ。
「やっと思い出したか」
「確か、前に騎士団をやめたって…。あなたが、どうしてここに」
するとエディは途端にそのにやけ顔を歪めて怒りに変わった。
「どうして、じゃねえよ小娘が!」
身動きのとれないアメリアの腹部を蹴り上げてその怒りを爆発させ、呻き声をあげるアメリアに吐き捨てるように「お前のせいだ」と言う。
「お前のせいで俺はあの人の怒りに触れた。
俺が唯一尊敬した人に、認めてほしかった人に、軽蔑の目で見られたよ。
分かるか、お前に俺の怒りが」
「…尊敬してた、ひと?」
せき込みながら尋ねるアメリアにエディはその人の名前を口にした。
「青藍の騎士、シアン・アクレイド」
それは我らが青の騎士団長の名前だった。
「あの人の強さに焦がれた。
厳しいし不愛想だけど、いつかああなりたいと思わせてくれた。
騎士団は実力で成り上がる世界だ。
団長は夢を見せてくれた。
頑張ればいつかはああなれると。ああなりたいと。
それなのに」
拳を握ったエディの手が震えているのにアメリアは気付く。
「お前が奪ったんだ、俺の夢を!」
その言葉はアメリアに鋭く突き刺さる。自分の行動が誰かの夢を踏みにじるなど考えもしなかったのだ。
「それに、あのお嬢様。そうそうミア・キャンベル。あいつからも頼まれた」
「え、ミアどの?」
思ってもいなかった名前にアメリアは思わず聞き返す。