一匹狼娘と一軍
どうしよう...
初めての授業で出遅れたくないし
隣の櫂君っていう人を起こそう...。
「あの、教科書見してもらえませんか」
小さな声で言うと全然起きない
どうしよう、肩をトントンと叩くと
さすがに起きたのかムクリと
眠そうな顔で私の顔を見てくる。
『何』
「あ、朝の。」
隣の席の男の子は、朝ぶつかってしまった
綺麗な顔をした男の子だった。
『あ、ぶつかってきた奴』
櫂君も気づいたのか、そう言ってくる。
「あの、教科書」
教科書がないことに気づいてポイッと
私の机に投げてきた。