一匹狼娘と一軍
[ぼ、僕は助けてなんて言ってないですっ]
急に怯えていた男の子が叫んだものだから
皆がその子に集中する。
『ほらな?誰も嫌がってないんだわ。邪魔すんな』
「そう、本当に助けを必要としてないのあなたは」
男の子の心の声を聞きたくて真っ直ぐに伝える。
そしたら一瞬、ほんの一瞬だけ
目の奥に昔の私のような瞳が見えた。
男の子は何かを喋りだそうとしていたが
私はそれを止めて「もう大丈夫、ちゃんと伝わったから」それだけ伝える。