【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。





「ら...蘭君は、好きな子とか...いないの?」



私も蘭君も学生なんだし、勢いで恋バナしてもおかしくはないと思った。


少しでも蘭君のことが知りたいと同時に
蘭君が少しでも女の子に興味あるのか知りたくて知りたくて。



唐突に恋バナをし始めた私を横目に、蘭君の手には、もうバニラアイスは残っていなかった。



「俺にそんなこと聞いてどうすんだ?
恋愛なんて柄じゃねー...」


「でもほらっ!蘭君モテそうだし!
やっぱり付き合ってた子とかいるのかなー?って...」


「...いねえ」


「えっ!?」



返ってきた返事が意外すぎて、驚いて夜道で転びそうになった。



「いないって...」




そりゃあ私だって生まれてこの方彼氏なんて出来たことないけど。


蘭君は...見た目からして完璧で、絶対モテるもん。


そんな人が彼女いた事ないなんて信じられなくて。



もう一度、彼の顔を覗き込むと。






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