【完】孤独な闇の中、命懸けの恋に堕ちた。
「ーーーまあでも、遊びだけの付き合いならしたな」
「...っ...」
ふいに、蘭君の言葉が私の胸を締め付けた。
考えれば予想出来た答えだった、はずなのに。
自分の都合のいいように考えてしまった結果がこれだ...
やっぱり蘭君は私が蘭君のこと好きだって気づいてない。
気づいてないから...言葉なんて選ばないのかも。
「女の子は...大切にしなきゃ、ダメなのに...」
「その女から誘ってきたんだ。
別に大切にするほどの関係でもねーしな、お互い」
「...そんなのって...」
「割り切った関係だ。
お前みたいな恋愛に夢見てるお子様には、関係なさそうな話だけど」
「...っ、バカっ」
高級マンションに近づくにつれて街灯が無駄に多くなっていくこの道で。
青く光る街灯が、私の傷ついた顔を照らしても
蘭君は私の表情に気づかない。
私のことなんか見てない、興味無い、素っ気ない。
こんなに嫌いになれる要素が蘭君にはたくさんあるのに。
嫌いになるどころか、冷たくされればされるほど、夢中になってしまうのはなぜ...?